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【令和5年度補正予算案が閣議決定】中小企業向け補助金の最新情報を解説!

【令和5年度補正予算案が閣議決定】中小企業向け補助金の最新情報を解説!

更新日 2024.01.18
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令和5年11月10日、令和5年度補正予算案が閣議決定され、経済産業省関連資料が公表されました。今回は、補正予算案の概要や、中小企業の皆さんが気になる補助金の今後の動向について、解説していきます!

JSaaSでは、補助金・助成金の申請支援を行っております。申請に関して何かご不明点等ございましたらお気軽にご連絡ください。

 

 

1.当初予算(本予算)/補正予算の違い

補正予算について詳しく見ていく前に、まずは当初予算と補正予算の違いに触れながら、補正予算とは?ということについてご説明します。

当初予算とは?

本予算とも呼ばれ、4月1日~翌年3月31日の財政計画に基づいて算出される年間予算のことを指します。1月に招集される通常国会の前半で予算案が国会へ提出され、審議を経て、3月末日までに成立します。

補正予算とは?

税収の増減や災害の発生などにより、年度の途中で組みなおした予算のことを指します。当初予算と同じように、国会での審議を経て成立します。

補正予算は、不足分を補うことから基本的には当初予算よりも増額されます。11月~12月の間に予算編成が行われ、翌年1月ごろの国会審議を経て成立し、4月以降に執行されます。

 

予算規模が大きいほど、公募期間が長く設定されていたり、採択され補助金を受け取ることができる企業数が増えることを意味します。そのため、「どのくらいの予算規模で成立しているのか」を把握することが重要と言えます!

 

2.令和5年度補正予算案の概要

令和5年度の経済産業省関連の補正予算では、合計で4.5兆円が割り当てられています。主な支出項目は以下の通りです。またそのうち、GX関連に0.9兆円が充てられています。

  • 物価高から国民生活を守る(1.2兆円):燃料油、電気、ガス価格の激変緩和措置/LPガス配送合理化等支援/省エネ促進等
  • 地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する(6,000億円):中堅、中小企業支援/物流、コンテンツ産業、万博の推進等
  • 成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する(2.7兆円):半導体、AI、量子等の技術開発・整備/再エネ、蓄電池等の導入促進/スタートアップ支援/グローバルサウスとの連携強化等
  • 人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革を起動・推進する(160億円):デジタルライフライン整備 等
  • 国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する(730億円):福島復興(廃炉、ALPS 処理水風評対策)/中小企業災害復旧支援、工業用水道の強靱化/ウクライナ復興等

 

引用:経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要

それでは、5つの柱について、それぞれ詳しく見ていきます!

 

3.物価高から国民生活を守る取組み

物価高から国民生活を守る取組みに対して、1.2兆円の予算を割り当てています。

  • (1) 物価高により厳しい状況にある生活者・事業者への支援
  • (2) エネルギーコスト上昇に対する経済社会の耐性の強化

の2つから構成されています。

(1) 物価高により厳しい状況にある生活者・事業者への支援

燃料、電気・ガス価格の激変緩和対策や、遠隔でのガス栓の開閉や遠隔検針が可能なスマートメーター、配送車両等の導入、充てん所の自動化等に資する設備の導入支援を行うことで、人手不足解消、配送業務の効率化を図る支援が行われます。



(2) エネルギーコスト上昇に対する経済社会の耐性の強化

省エネ性能の高い設備への更新に係る費用を補助する「省エネ補助金」や、省エネの専門家が中小企業を訪ね、エネルギー使用の改善をアドバイスする「省エネ診断」を中小企業が安価で受けられる支援などが含まれます。

 

4.地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する取組

地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する取組に対して、6,000億円を割り当てています。

  • (1) 中堅・中小企業の賃上げの環境整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援
  • (2) 構造的賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進
  • (3) 経済の回復基調の地方への波及及び経済交流の拡大

の3つから構成されています。

(1) 中堅・中小企業の賃上げの環境整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援

地方においても賃上げが広がるよう、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う工場等の拠点の新設や大規模な設備投資を促進する補助金や、人手不足に悩む中小企業等のため、カタログから汎用製品を選んで行うような簡易なプロセスにより、省力化投資への支援を行う補助金など、新たな補助金が登場する予定です。

また、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金は、引き続き実施される見込みです。



(2) 構造的賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進

リスキリングをキーワードに、キャリアアップやスキルアップに関する事業が行われます。



(3) 経済の回復基調の地方への波及及び経済交流の拡大

日本のコンテンツ事業の海外展開を促進する事業や、大阪・関西万博の準備・運営のための事業が盛り込まれています。

 

5.成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する取組

成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する取組に対して、2.7兆円が割り当てられています。

  • (1) 生産性向上・供給力強化を通じて潜在成長率を引き上げるための国内投資の更なる拡大
  • (2) 「くらし」や「産業」における GX の加速
  • (3) イノベーションを牽引するスタートアップ等の支援

の3つから構成されています。

(1) 生産性向上・供給力強化を通じて潜在成長率を引き上げるための国内投資の更なる拡大

  • ポスト5G時代に必要となる次世代半導体の国際連携による製造・設計技術開発や半導体関連人材の育成
  • 生成AI基盤モデル開発等を支援
  • 先端半導体の国内生産拠点整備の支援
  • 更には生産基盤の整備、供給源の多様化、生産技術の導入・開発・改良、代替物資の開発等の安定供給確保を図るための取組に対し必要な支援

などが重点的に盛り込まれています。

また、生成AI の開発・活用に関して、生成AIに関する基盤的な研究力・開発力を国内に醸成するための支援が含まれています。



(2) 「くらし」や「産業」における GX の加速

くらしと産業の両軸で、GX化の支援を実施します。令和5年度補正におけるGX予算は、全体で1兆円に上ります。



(3) イノベーションを牽引するスタートアップ等の支援

JAXA に新たな基金を創設し、民間企業、スタートアップ等に対する、先端技術開発、技術実証、商業化等の支援する宇宙戦略基金や、グローバルサウス諸国との経済連携を強化する事業に重点がおかれています。

 

6.人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革を起動・推進する取組

無人自動運転に関する支援施策などが盛り込まれ、160億円が割り当てられています。

 

7.国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する取組

国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する取組に対して、730億円が割り当てられています。

  • (1) 自然災害からの復旧・復興の加速
  • (2) 防災・減災、国土強靭化の推進
  • (3) 国民の安全・安心の確保
  • (4) 外交・安全保障環境の変化への対応

の4つから成り立っています。

(1) 自然災害からの復旧・復興の加速



(2) 防災・減災、国土強靭化の推進



(3) 国民の安全・安心の確保



(4) 外交・安全保障環境の変化への対応

 

8.中小企業向け補助金の最新情報

令和5年度の補正予算案において、1,000億円以上の予算が割当られている、特に注目の中小企業向け補助金は以下の4つです!

(1)省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(2,025 億円)

ー概要

工場・事業場において実施されるエネルギー消費効率の高い設備への更新等を支援する

ー補助率

中小企業2/3~1/2以内、大企業1/2~1/3以内

ー補助上限額

20億円

(2)中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(3,000億円)

ー概要

中堅・中小企業が、持続的な賃上げを目的に、足元の人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に対して補助を行う。
※中小企業等事業再構築促進事業を再編した制度となります。

ー補助上限額

50億円 

(3)中小企業省力化投資補助事業(1,000億円)

ー概要

IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する。

ー補助率

1/2

ー補助上限額

従業員数5名以下300万円、6~20名以下750万円、21名以上1500万円

(4)中小企業生産性革命推進事業(2,000億円)

ー概要

ものづくり補助金、小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)、サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)、事業承継・引継ぎ支援事業(事業承継・引継ぎ補助金)の補助金を通して、成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援する。

ー補助率と補助上限額

引用:令和5年度補正予算案の事業概要(PR資料)

 

これらのことから分かるように、コロナ感染症流行から2023年度まで継続してきた事業再構築補助金は大きく形を変えることとなり、ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金は細かな変更はあるものの、おおよそ変わらない方向性となりました!

 

9.今後のスケジュール

補正予算で決められた補助金の開始は、4月以降となります。それ以前に年明けごろから徐々に、更なる細かな要件が公表される見込みです。また、助成金に関しては、毎年4月以降に実行される助成金名や要件が分かるようになります。

それまでは、当初予算の制度概要が適用されますので、現在公開されている情報を確認してみてください。

ただし、年度の途中でも、残りの予算額によっては、公募回数が少なくなったり、公募期間が短くなることがあります。そのため、まだ年度末まで余裕があるからと言って後回しにするのではなく、申請準備は今すぐにでも始めた方がいいでしょう!

最後に、現在公開されている主要補助金の締切を記載しますので、参考にしてみてください!



最後までご覧いただき、ありがとうございました!来期の補助金に関する続報をお待ちください・・!

また、JSaaSでは、補助金・助成金の申請支援を行っております。申請に関して何かご不明点等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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