中小企業・個人事業主が成功する販路拡大の方法!戦略と補助金制度
中小企業や個人事業主にとって、販路拡大は事業の成長と安定に欠かせない重要な戦略です。
本記事では、販路拡大の重要性と具体的な方法について解説するとともに、成功事例や利用可能な補助金制度についても詳しくご紹介します!
ー目次ー
1. 販路拡大の重要性
販路拡大は、中小企業や個人事業主の持続的な成長に不可欠な戦略です。先行きの予測ができない市場の変化で、既存の販路に依存しているだけでは新しい顧客の獲得や売上の増加を見込むことが難しくなります。
新しい市場や顧客層にリーチすることで、売り上げの増加やリスクの分散に繋がり、競争力を強化できるなど様々なメリットがあります。
販路拡大の成功事例は?
大手企業の販路拡大の成功事例では、「無印良品」の海外進出や、写真フィルムの製造を行っていた「富士フィルム」が医療や化粧品・エレクトロニクスなど多岐にわたる事業分野への事業展開などが有名ですが、中小企業・個人事業主も様々な販路拡大をチャレンジを行っています。
オンライン販売の強化
ある飲食店を経営している個人事業主の方は、自社のオリジナル商品のオンライン販売を強化することで販路を大きく広げました。SNS広告やインフルエンサーによる商品PRの実施や、ECサイトのリニューアルなどの取り組みにより、全国からの注文が増加し売上が大幅に増加しました。
海外市場への進出
ある中小企業では、海外へ販路を拡大。海外の展示会に出展し現地のバイヤーと直接交渉し、海外向けのウェブサイトを多言語対応にするなどして、海外の取引先とのコミュニケーションを円滑した結果、海外からの注文が増え新たな市場を開拓することができました。
共同事業による新商品開発
複数のメーカーが協力して共同ブランドを立ち上げ、それぞれのメーカーが得意とする製品を共同ブランドとして統一し、共同ブランドのキャンペーンを展開しました。各ブランドの認知度が向上し、大手スーパーや百貨店への販路開拓に成功しました。
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2. 成功する販路拡大の方法は?
販路拡大には、大きく分けて「既存事業との関連性が高い販路拡大」と「異なる業種への思い切った事業転換」の2種類の方法があります。
既存商品・サービスとの関連性が高い販路拡大は、これまでの実績・ブランド信頼性を活用して、新規市場・新規顧客層の開拓を行うことができ、既存の販売戦略を新たな販路に応用しやすいメリットがあります。
- 新たな都市や地域での店舗展開
- オンラインチャネルの強化
- 新規顧客層の開拓
- 既存製品の新用途の開発 など…
全く異なる業種への販路拡大は、既存市場とは異なる競争環境で、既存の競合と差別化・企業のポートフォリオを多様化することができ、特定市場の不振によるリスクを分散できるなどのメリットがあります。
- 新製品・サービスの開発
- フランチャイズ展開 など…
市場調査とターゲット設定
効果的な販路拡大には、市場調査とターゲット設定から始めましょう。
市場調査では、消費者のニーズや競合他社の動向を把握し、自社の強みを活かせる市場を見つけましょう。
ターゲット設定では、年齢、性別、収入、地理、行動などを細分化し、ターゲット顧客の具体的なニーズや課題を分析し、どのような価値を提供できるかを明確にすることが大切です。
競合他社のターゲット顧客や市場戦略を分析し、自社の差別化ポイントを見つけて最適なチャネルを選定することが成功のカギです。
効果的なチャネルを選定する
チャネルとは、商品やサービスが生産者から消費者に届くまでの流通経路を指します。企業が顧客に対して商品やサービスを提供するための手段やルートであり、マーケティングにおいて非常に重要な要素で、効果的なチャネル戦略は企業の売上やブランド力の向上に直結します。
以下の3つのチャネルで、効果的なものを見極めましょう。
・コミュニケーションチャネル
広告、宣伝、広報活動など消費者に商品の存在や魅力を伝えるための経路。
・流通チャネル
卸売業者、小売業者、物流業者など商品を生産者から消費者に物理的に届けるための経路。
・販売チャネル
オンライン販売(ECサイト)、実店舗、カタログ販売、ダイレクトセールスなど実際に商品を消費者に購入してもらうための経路。
プル戦略とプッシュ戦略の使い分け
市場調査とターゲット設定で販路拡大の方向性が定まったら、自社の商品に合った最適なマーケティング手法を探っていきましょう。
顧客の購買行動、市場の競争状況、商品のライフサイクルなどを考慮しながら、適切な戦略を選択することで、顧客のニーズに応え、企業の成長を促進することができます。
プル戦略とは?
プル戦略は、顧客の購買意欲を引き出すためのマーケティング手法です。広告やプロモーションを通じて顧客の関心を喚起し、彼らが自発的に商品を購入するよう促します。
プル戦略は、消費者が自発的に商品を探し求める場合に効果的です。例えば、日常生活で使用する消費財やファッションアイテムなど、顧客が自身の好みやニーズに基づいて選ぶ商品に適しています。特に、SNSやオウンドメディアを活用した情報発信が効果的です。
プッシュ戦略とは?
プッシュ戦略は、積極的に商品を売り込むための手法です。営業活動や店頭でのプロモーションを通じて、直接顧客にアプローチします。
商品に対する認知度が低い場合や、顧客がその商品を必要としていることに気づいていない場合に有効です。例えば、新しい技術製品や専門的なサービスなど、顧客に対して直接説明が必要な商品に適しています。展示会や商談会でのプレゼンテーションも、プッシュ戦略の一環として有効です。
オンライン販路
オンライン販促では、インターネットを通じて地域や国境を越えた広範な顧客層にリーチすることが最大のメリットと言えるでしょう。従来の広告手段(テレビCM、新聞広告など)と比較してコスト効率が高く、SNSやオウンドメディアを活用することで、顧客と直接コミュニケーションを取ることができ、エンゲージメントを高めることができます。
ECサイト開設
ECサイトの開設は、販路拡大の重要な手段です。自社のECサイトを持つことで、独自性の高い商品を販売し、ブランド力を強化できます。また、ECモールへの出店により、多くの消費者にリーチすることが可能です。
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オウンドメディア
オウンドメディアを運用することで、顧客に有益な情報を提供し、信頼関係を構築できます。SEO対策を施すことで、検索エンジンからの流入を増やし、新規顧客の獲得に繋げることができます。
SNSの活用
SNSを活用することで、広範囲の顧客にリーチし、ブランドの認知度を向上させることが可能です。特に若年層をターゲットにする場合、SNSは非常に有効なチャネルとなります。
O2Oマーケティング
O2O(Online to Offline)マーケティングは、オンラインとオフラインを連携させる戦略です。例えば、オンラインでクーポンを発行し、実店舗での購入を促す施策が考えられます。
PDCAサイクルで進捗管理
PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を用いて販路拡大の進捗を管理することで、継続的な改善を図ることができ、プロジェクトの成功率が上がります。
- 計画の明確化(Plan):目標設定と詳細な計画立案により、業務の方向性と具体的なステップが明確になる
- 効率的な実行(Do):計画に基づいて業務を効率的に実行し、目標達成に向けた行動が組織的に進められる
- 進捗の可視化(Check):定期的な進捗確認により、計画通りに進んでいるかを把握し、問題点や遅れを早期に発見できる
- 迅速な改善(Act):問題が発生した場合や目標未達の場合、即座に改善策を講じて対応できる
市場環境や業務条件の変化に対して柔軟に対応し、計画を修正しながら進めていきましょう。
3.販路拡大に使える補助金制度
中小企業・個人事業主などの小規模事業者は、販路拡大を支援するための国の補助金・助成金制度を活用することができます。販路拡大の為の費用に申請されることが多い制度の詳細をご紹介します!
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が自社の経営を見直し、持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。
✅対象者:下記に該当する法人、個人事業、特定非営利活動法人
- 従業員数5人以下の商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)
- 従業員数20人以下の宿泊業・娯楽業
- 従業員数20人以下の製造業その他
✅補助率:最大2/3
✅上限額:200万円
✅対象経費:
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 新商品開発費
- 資料購入費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費 など
最新情報は、小規模事業者持続化補助金公式HPでご確認下さい
事業再構築補助金
新市場進出、事業・業種転換、事業再編、国内回帰、地域サプライチェーン維持・強靱化又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する制度です。
✅対象者:日本国内に本社を有し、以下の条件を満たす中小企業・個人事業主
- 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
- 事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
- 付加価値額を向上させること
✅補助率:最大2/3
✅上限額:5億円
✅対象経費:
- システム構築費用
- クラウドサービス利用料
- 機械装置
- 建物費
- 運搬費
- 外注費
- 広告宣伝費
- 研修費
- 知的財産権等関連費 など
最新情報は、事業再構築補助金公式HPでご確認下さい
上記の他にも、販路拡大に役立つ設備投資や海外渡航費用など様々な経費が対象になる補助金・助成金費用が多数あります。御社にピッタリな制度を知りたい方は、コンサルタントに無料相談してみて下さい。
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