【企業・個人】リスキリングを支援する補助金・給付金を紹介!
リスキリングは、現在のスキルを強化し新たな技術や知識を身につけることを指し、キャリアアップや企業の成長にとって重要な取り組みで、職業選択肢を広げ、業務の効率化を進めるために不可欠なスキルとなります。
本記事では、リスキリングの基本から、企業向け・個人向けの支援制度について詳しく紹介します。自分のキャリアを次のステージに進めたい方、従業員のスキルアップを図りたい企業の担当者の方々はぜひチェックしてみて下さい。
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ー目次ー
1.リスキリングとは
リスキリング(Reskilling)は、変化の激しい社会や技術進化に対応するために新たなスキルを習得することです。
経済産業省は、「新しい職業に就くため、または現在の職業に必要とされるスキルの変化に適応するために、必要なスキルを獲得すること」と定義しています。
リスキリングは、単なるスキルアップに留まらず、仕事の適応力を高め、個人の市場価値を向上させる重要なプロセスです。現在、世界中でリスキリングの必要性が高まっており、特にデジタル技術を活用したスキル獲得が急務となっています。日本でも政府はリスキリング支援に注力しており、これからの労働市場で活躍するための取り組みが重要です。
リスキリングのメリット
現代のビジネス環境は、技術革新や社会の変化により日々進化しています。特に、デジタル技術やデータ活用が企業活動において重要な役割を果たしている現在、リスキリングは不可欠な取り組みです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、ITスキルを習得することは今や必須となり、データ分析やAIの活用能力が求められているほか、コロナ禍でオンライン化が進んだことにより、ITツールやクラウドサービスの使用スキルが企業内でも必要不可欠となっています。
リスキリングによって、これらのスキルを習得すれば、仕事の効率性が向上し、業界や企業の競争力を高めることができます。
2.企業向けのリスキリング支援制度
企業におけるリスキリングを推進するため、さまざまな支援制度が整備されています。支援制度を活用することで、従業員のスキルアップを効率的にサポートし、企業全体の成長を促進できます。
🔴人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、企業が従業員に対して職務に関連した専門的な知識やスキルを習得させるために実施する職業訓練の経費を一部助成する制度で、企業は社員のスキルアップを図るための訓練経費や、訓練期間中の賃金の支援が受けられます。
最新情報は厚生労働省の公式HPをご確認下さい。
✔️【人材育成支援コース】
人材育成支援コースでは、従業員が職務に必要な知識や技能を習得するための訓練に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成します。
この支援は、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)や、非正規雇用者の正社員化を目指す訓練にも適用されます。
特に、OJTとOFF-JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)を組み合わせた訓練プログラムに対しては、高い助成率が設定されており、経費助成率は最大100%(賃金の要件などをすべて満たした場合)、一人当たり最大25万円が助成され、訓練期間中の賃金に対しても、最大で時給960円が支給されるため、企業にとっても大きなサポートとなります。
✔️【教育訓練休暇等付与コース】
教育訓練休暇等付与コースは、企業が従業員に対して有給の教育訓練休暇を付与し、従業員がその休暇を利用して訓練を受ける場合に助成を行う制度です。
特に、有給の教育訓練休暇制度を導入し、3年間で5日以上の休暇を取得させた場合、最大36万円の助成金が支給されます。
この制度を利用することで、従業員がスキルを磨きながら、業務の効率化やキャリアアップを促進することができます。
✔️【人への投資促進コース】
人への投資促進コースでは、デジタル人材や高度な専門性を持つ人材を育成する訓練に対して助成金が支給されます。特に、労働者が自発的に行う訓練や、定額制のサブスクリプション型訓練プログラムが対象となります。
訓練経費や賃金の一部が助成され、経費助成率は最大75%、一人当たり最大25万円の助成金が支給される可能性があります。また、訓練期間中の賃金に対しても、最大で時給960円が支給されるため、企業にとっても大きなサポートとなります。
✔️【事業展開等リスキリング支援コース】
事業展開等リスキリング支援コースは、企業が新規事業の立ち上げや事業展開に伴い、新たな分野で必要となる知識や技能を従業員に習得させるための訓練を支援します。
訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成し、最大助成率は75%、加えて訓練期間中の賃金に対して時給960円(最大)の助成も受け取れます。この支援を活用することで、企業は新しい分野への対応力を高め、競争力を強化できます。
🔴DXリスキリング助成金
DXリスキリング助成金は、都内の中小企業が従業員に対して、民間の教育機関が提供するデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の職業訓練を実施する際の経費を助成する制度です。
対象は中小企業や個人事業主で、小売業や飲食店、サービス業などが対象となります。最大3億円までの助成金が支給され、DXスキルを習得することで、企業のデジタル化を進める支援を受けることができます。
最新情報は東京しごと財団の公式HPをご確認下さい
🔴地方自治体が実施する支援制度
地方自治体によるリスキリング支援制度も充実しており、地域ごとにさまざまな助成金が提供されていますので、各自治体のホームページや窓口に問い合わせてみましょう。
✔️【半導体人材リスキリング支援事業補助金】
宮崎県が実施する半導体業界に特化した人材リスキリングを支援する補助金です。
半導体業界は現在、急速に成長しており、需要の高まりに伴って人材の確保が求められています。自治体は、半導体に関する技術や知識を持った人材を育成するための教育訓練の一部を助成します。
この支援を受けることで、従業員は最新技術を習得し、業界で求められるスキルを身につけることができます。
3.個人向けのリスキリング支援制度
リスキリングは企業だけでなく、個人にとってもキャリアアップや転職、スキル向上のための重要な手段です。
個人向けの支援制度には、国や自治体、教育機関が提供するさまざまなプログラムがあります。これらを活用することで、経済的負担を軽減しながら、新しいスキルや知識を身につけることができます。
🔴雇用・労働教育訓練給付制度
教育訓練給付制度は、働く方々の主体的なキャリア形成を支援するために設けられた制度です。この制度では、厚生労働大臣が指定した教育訓練を修了した場合に、受講費用の一部が支給されます。
対象となる教育訓練は、専門的な内容を学べる「専門実践教育訓練」、再就職に有利なスキルを学べる「特定一般教育訓練」、そして幅広い職業訓練が受けられる「一般教育訓練」の3種類に分かれています。この制度は、雇用の安定を図り、キャリアアップを支援する大切な手段となっています。
詳しくは厚生労働省の公式HPをご確認下さい。
✔️【専門実践教育訓練給付金】
専門実践教育訓練給付金は、長期的なキャリア形成を目指す人々のために提供されています。
受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練の受講中に6ヶ月ごとに支給され、訓練修了後に雇用保険の被保険者として就職した場合、さらに受講費用の20%(年間上限16万円)が支給されます。
加えて、令和6年10月以降に開講する講座では、訓練修了後の賃金が受講前と比較して5%以上上昇した場合に追加の支給(10%、年間上限8万円)があります。この制度は、資格取得を目指して努力する人々を支援し、雇用の安定を促進します。
✔️【特定一般教育訓練給付金】
特定一般教育訓練給付金は、特に迅速な再就職をサポートするための支援制度です。この制度では、特定の職業に必要な技能を学ぶ訓練を受けると、受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給されます。
さらに、令和6年10月以降に開講された講座では、資格を取得し、訓練修了後1年以内に雇用保険に加入した場合、10%(上限5万円)が追加で支給されます。対象となる資格には、介護職員初任者研修や大型自動車免許、基本情報技術者試験などが含まれています。
✔️【一般教育訓練給付金】
一般教育訓練給付金は、職業スキルの向上を目的とするさまざまな教育訓練を支援する制度です。訓練修了後に受講費用の20%(上限10万円)が支給されるこの制度は、輸送や機械運転、情報技術、医療・福祉、営業・販売など、広範な分野に対応しています。
多岐にわたる資格や試験が対象となり、仕事に必要なスキルを向上させるための支援を行います。詳しくは、厚生労働省の公式サイトで対象資格を確認することができます。
🔴高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金は、ひとり親の方々が就職に有利な資格を取得するために必要な支援を提供する制度です。
この給付金は、看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、調理師、製菓衛生師等の国家資格や、シスコシステムズ認定資格、LPI認定資格等のデジタル分野等の民間資格、教育訓練給付の対象講座を受講して取得する資格(一部を除く)などを取得するひとり親が対象です。
訓練開始日以降、児童扶養手当を受給しているか、同等の所得水準にあることが求められ、訓練期間中は月額10万円の支給(住民税課税世帯は月額70,500円)を受けることができます。さらに、訓練修了後には追加支給もあり、資格取得のための支援が行われます。
最新情報はこども家庭庁の公式HPをご確認ください
🔴地方自治体が実施する支援制度
地方自治体でも、地域住民のキャリアアップを支援するためにさまざまなリスキリング制度が実施されています。各自治体のホームページや窓口に問い合わせてみましょう。
【大阪府スキルアップ支援金】
大阪府では、リスキリングを目指す人々の資格取得講座に対して、受講費用を最大75%まで補助する「スキルアップ支援金」を提供しています。
対象となる資格は、フォークリフトや大型自動車免許、介護福祉士、IT関連資格(MOS、Excel、ITパスポートなど)など、広範な職業訓練が含まれています。
この制度を活用すれば、自己負担を大きく軽減しながら、さまざまな分野で必要とされるスキルを習得することができます。資格取得によるキャリアアップを目指す人々にとって、非常に有効な支援策となっています。
4.まとめ
本記事では、リスキリングに取り組みたい企業や個人に向けて、対象の補助金・給付金制度をご紹介しました。
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