【2025】インバウンド向けのビジネス戦略!外国人観光客の集客方法11選
インバウンド市場の拡大が予測される中、新たな集客戦略を模索している企業も多いのではないでしょうか。
引き続き需要の拡大が予想される2025年のインバウンド市場に向けて、インバウンドをターゲットにしたビジネス戦略と、集客に役立つ11の方法を紹介します。
1.2025年のインバウンド市場
日本は旅行先として魅力的な国として挙げられることに加え、物価が他国と比較するとあまり上昇していないこと、円安によるお得感も相まって、コロナ禍以降急速に訪日外国人が増えています。
2024年の訪日外国人数の年間累計が史上最速で3000万人超を記録していることから、訪日外国人数がさらに増加すると見込まれ、2025年の消費額は8.5兆円に達すると予想されています。訪日外国人は中国、アメリカ、台湾、韓国、香港の5か国が特に多く消費額も増えており、訪日旅行需要の高まりが伺えます。引用|トラベルボイス
2.インバウンド向けの集客戦略11選
インバウンド市場の拡大に向け、企業が採るべき集客戦略は多岐にわたります。ターゲットとなる外国人観光客を引き寄せ、ブランド力強化につながる具体的に効果的な方法を11項目に分けて紹介します。
①多言語でのSNS発信
観光業やサービス業において、インバウンド需要を取り込むためにはインターネットの活用が欠かせません。
SNS広告や投稿のメリットは、特定の国や地域、年代のターゲットにダイレクトに情報を届けられ、季節限定の観光スポットやイベント情報をリアルタイムで発信することが出来ることです。
また、SNSはシェアやコメントを通じてターゲット層の間で情報が拡散されやすいため、ユーザーに親近感と信頼感を与えるためにも現地の言葉で発信をすることは集客効果を期待できます。
日本で主流のX・Instagram・TikTokの他にも、WeChat・Weibo・抖音(Douyin)など海外で人気のSNSでの発信も効果があります。
②MEO対策
MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップや他の地図サービス上で自社の店舗やサービスを目立たせるための施策です。
インバウンド需要の増加や「近くのお店」「現在地から近い観光スポット」などの検索が増加している中で、MEO対策は顧客を直接的に集客する効果的な方法です。
MEO対策をすることで、Google検索とGoogleマップの両方で上位表示が可能になり、広告費をかけずに自然検索から集客を得られるため、中小企業や個人経営者にとってもコストパフォーマンスが高いため、おすすめです。
③SEM対策
SEM(Search Engine Marketing)とは、検索エンジンを利用したマーケティング施策全般を指し、主に以下の2つが含まれます。
- SEO(Search Engine Optimization): 自然検索結果での上位表示を目指す施策
- PPC広告(Pay-Per-Click): 検索連動型広告を利用して、特定のキーワードで上位表示する施策
SEOは結果が出るまでに時間がかかる一方、PPC広告を活用したSEMは短期間で検索結果のトップに表示できるため、新商品のプロモーションやキャンペーンなど、短期的な集客が求められる場合に効果を発揮します。
広告文とランディングページ(LP)の多言語化を行い、国ごとに人気の検索エンジンが異なるため、ターゲットに合わせたプラットフォームを選ぶと良いでしょう。
④インバウンド向け観光サイトへの掲載
海外向け観光サイトに情報を掲載することは、インバウンド集客において非常に効果的な施策です。
海外の旅行者は、訪問先の情報を検索する際に観光サイトを利用することが多いため、トラフィックが高い観光サイトに掲載することで、自社や観光地の認知度を一気に高められます。
多くのサイトでは、サイト内のリンクを活用して、自社の予約ページやSNSにユーザーを誘導できるため、予約や問い合わせが多い業種に特におすすめです。
⑤海外向け口コミサイトの活用
海外向け口コミサイトを活用することは、インバウンド集客において非常に重要です。口コミは訪日観光客が観光地や宿泊施設、飲食店を選ぶ際の大きな判断材料となるため、適切に活用することで集客効果を大幅に向上させることができます。
観光客は広告よりも第三者の口コミやレビューを信頼する傾向があります。Googleの調査によれば、旅行者の90%以上が口コミを参考にして宿泊先や観光地、レストランを選んでいます。口コミサイトに良い評価が多いほど、予約や来店の確率が高まります。
- TripAdvisor:世界最大級の旅行口コミサイト
- Googleレビュー:ローカルSEOやMEO対策と組み合わせて活用できる
- Yelp:主に北米や欧米の観光客が利用
- Ctrip(Trip.com):中国の旅行プラットフォーム
- Booking.comやExpedia:宿泊施設の予約プラットフォーム
⑥キャッシュレス決済の導入
キャッシュレス決済の導入は、インバウンド集客において訪日外国人旅行者の利便性を高めるだけでなく、事業運営の効率化も実現します。多くの外国人旅行者はキャッシュレス決済を日常的に利用しており、現金よりもカードやモバイル決済を好む傾向があります。
キャッシュレス決済を導入することで、クレジットカードやモバイル決済を利用する顧客層を取り込むことが可能となるほか、日本円を準備する手間を省けるため、旅行者の満足度が向上します。
▽この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。
キャッシュレス決済に使える補助金とおすすめの対象アイテムを紹介
⑦Wi-Fi設置
訪日外国人旅行者は、通信手段としてWi-Fiを重視しており、無料Wi-Fiが利用可能な施設や観光地は選ばれる可能性が高まります。外国人旅行者の多くは、滞在中にローミングや現地SIMカードの利用を避け、Wi-Fiを通信手段として頼ります。無料Wi-Fiの提供は、旅行者にとって安心感を与え、顧客満足度を高めます。
Wi-Fiを設置することで、観光地や店舗の競争力向上、 SNSや口コミへの効果、デジタルサービス利用の基盤、 緊急時の対応支援などインバウンド集客にとって重要な役割を果たします。
Wi-Fiを設置する際には、 通信の安定性とセキュリティ対策や 利用可能エリアの明確化、 ログインの簡易化などに注意し導入しましょう。
⑧サービスの多言語対応
サービスの多言語対応は、インバウンド集客を成功させるために非常に重要な要素です。言語の壁を越えることで、訪日観光客にとってより利用しやすい環境を提供し、満足度の向上やリピーターの獲得に繋がります。
外国人観光客の顧客満足度の向上、売上や利用率の増加、口コミやリピーターの増加、緊急時の対応やトラブル時の説明が適切に行われやすくなるため、安全性の確保にもつながるでしょう。
具体的には、以下のような取り組みができます。
【店内や施設での多言語対応】
-
多言語表示
- 案内板やメニュー、料金表を英語、中国語、韓国語などで表示する。
- ピクトグラム(絵文字やシンボル)を活用して視覚的に伝わる案内を設置する。
-
翻訳ツールの活用
- Google翻訳やポケトークなどのリアルタイム翻訳ツールを活用し、簡易的なコミュニケーションを実現する。
-
スタッフの言語スキル向上
- 英語や中国語を話せるスタッフを雇用したり、既存スタッフに対して語学研修を提供する。
【デジタルでの多言語対応】
-
多言語ウェブサイト
- 自社サイトを英語、中国語、韓国語などに対応させる。重要な情報(営業時間、料金、アクセス方法など)を簡潔に記載。
- モバイルフレンドリーな設計にすることで、スマートフォン利用者に対応。
-
SNSでの多言語発信
- InstagramやTwitter、WeiboなどのSNSで多言語で情報を発信。国ごとに異なるプラットフォームを活用する。
-
予約システムの多言語対応
- 宿泊施設や観光施設では、予約フォームを多言語化し、旅行者が簡単に予約できる仕組みを提供する。
言語対応に加え、文化的な配慮や質の高い翻訳を提供することで、旅行者に信頼されるサービスを構築しましょう。
⑨海外向けWEBサイト制作
海外向けWEBサイトの制作は、インバウンド集客を強化する上で非常に効果的な施策です。訪日外国人が訪れる前に情報を収集する際の「入り口」として機能し、観光地や施設、サービスの魅力を的確に伝えることで訪問動機を高められます。
海外の旅行者は訪問先を決める前にオンラインでリサーチを行います。WEBサイトを通じて自社や地域の魅力的な情報を、時間や国を問わず提供できます。
WEBサイトを通じて、自社のサービスやブランドをターゲット市場に浸透させることができます。これにより、競合との差別化を図ることができ、訪日のきっかけを与えることに繋がります。
⑩オウンドメディアでの発信
オウンドメディアでの発信は、インバウンド観光客をターゲットにしたブランド認知や集客に非常に効果的です。質の高いコンテンツを継続的に発信し、多言語対応やSEO対策を行うことで、顧客との接点を増やし、長期的な集客効果を期待できます。
SEO(検索エンジン最適化)を意識した記事を継続的に発信することで、検索エンジンからの流入を増加させ、自然な集客が期待できます。そのほかにも、メールマガジンやSNSと連携することで、オウンドメディア経由で顧客との継続的なコミュニケーションが可能になります。
広告とは異なり、オウンドメディアは一度制作したコンテンツが長期間にわたり効果を発揮するため、コストパフォーマンスが高いです。
⑪海外向け展示会
海外向け展示会は、ターゲット市場でのブランド認知向上、新規顧客獲得、現地ネットワーク構築において非常に効果的です。
事前準備や費用対効果の管理、展示会後のフォローアップを徹底することが成功の鍵です。適切な展示会を選び、戦略的に参加することで、国際市場でのビジネス拡大を加速できます。
展示会では、現地の旅行代理店、観光客、バイヤー、メディア関係者など、ターゲット層と直接対話できるため、リアルなニーズを把握でき、同業他社や関連分野の最新動向やトレンドを把握でき、今後の戦略に活かせます。
【海外向けの主な展示会】
- 観光業界展示会(ITB Berlin)
- 食品業界展示会(SIAL Paris)
- テクノロジー展示会(CES Las Vegas)
▽この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。
【2024】展示会に使える補助金・助成金7選!申請に関する無料相談実施中
3.インバウンド戦略に使える補助金
2025年度(令和7年度)に予定されているインバウンド対策の補助金および支援事業
-
地方創生プレミアムインバウンドツアー集中展開事業:地域の観光資源を活用し、特別な体験を提供することで、インバウンド消費の拡大と質の向上を推進する事業
-
地域観光魅力向上事業:地方への誘客促進を目的に、地域が一体となって観光商品の造成やプロモーションを行うことを支援する事業
現在(2024年12月時点)公募中の補助金
- インバウンド対応力強化支援補助金(東京都限定):東京都内の宿泊施設、飲食店、免税店、体験型コンテンツ提供施設等を対象に、多言語対応や決済機器の導入などを支援する補助金。公募期間は2025年3月31日まで
過去に実施された補助金
-
地域観光”新発見”事業補助金:地方への誘客を促進するため、インバウンド・国内双方を対象に観光コンテンツの造成やプロモーションを支援する事業
-
特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業:地域の観光資源を活用し、特別な体験を提供することで、インバウンド消費の拡大と質の向上を図る事業
その他、インバウンド需要に対応するための設備投資、業務改善など、幅広い目的で活用できる補助金は以下のようなものがあります。
-
事業再構築補助金:インバウンド需要を狙った新規事業の立ち上げや設備投資にも活用可能
-
業務改善助成金:多言語対応システムの導入や、外国人観光客向けのサービス改善など、インバウンド需要に対応する業務改善にも適用可能
詳細や最新情報については、各事業の公式ウェブサイトや関連資料をご確認ください。
4.まとめ
2025年に向けて拡大が見込まれるインバウンド市場では、多言語SNS発信やMEO対策、キャッシュレス決済の導入、Wi-Fi設置、多言語対応サービスなど、訪日外国人旅行者をターゲットにした11の集客戦略が効果的です。これらの施策を通じて、訪日観光客の利便性を高め、ブランド認知の向上や顧客満足度の向上を図ることができます。
さらに、地方創生や観光業の振興を目的とした補助金・助成金を活用することで、インバウンド需要に対応した事業展開を支援することも可能です。企業や地域がこれらの施策を適切に活用することで、拡大する市場に対応し、持続的な成長を実現できるでしょう。
▽補助金・助成金についての無料相談窓口はJコンサル