中小企業のガバナンスを見直す!ポイントを理解してリスクに備える

「ガバナンス」という言葉は近年よく耳にするようになりましたが、その意味を正しく理解しているでしょうか?
本記事は中小企業の経営者や従業員に向けて、企業の健全な成長と発展を支えるガバナンス経営に関する情報をわかりやすくお届けします。
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1.ガバナンスとは?
ガバナンス(governance)は、本来「統治」や「管理」を意味する言葉です。企業におけるガバナンス、すなわちコーポレートガバナンスとは、企業が健全に経営を行うための仕組みを指します。
具体的には、株主や経営陣、従業員など、企業に関わる様々なステークホルダー(利害関係者)の利益を調整し、企業価値を高めるための組織運営の仕組を構築することです。
似た言葉との違い
ガバナンスと似た言葉に、「コンプライアンス」と「内部統制」があります。これらの言葉は、いずれも企業の健全な運営に欠かせない要素ですが、それぞれ異なる概念です。
コンプライアンス
コンプライアンス(compliance)とは、法令や社会規範を遵守することです。企業は、事業活動を行う上で、様々な法律や規則、社会的なルールに従う必要があります。
コンプライアンスは、企業が社会の一員としての責任を果たし、信頼を得るために不可欠です。
内部統制
内部統制(internal control)とは、企業の業務が適切かつ効率的に行われるように、組織内部で整備される管理体制のことです。不正やミスを防止し、財務報告の信頼性を高めることを目的としています。
ガバナンス、コンプライアンス、内部統制は、それぞれ密接に関連していますが、ガバナンスは、これら全体を包括する上位概念と言えます。
2.中小企業にもコーポレートガバナンスが求められる理由
近年、コーポレートガバナンスは上場企業だけでなく、中小企業においても重要視されています。なぜ、中小企業にもガバナンスが求められるのでしょうか?
ガバナンス経営のメリット
中小企業がガバナンス経営を導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
✅企業の透明性向上
✅不正リスクの抑制
✅事業の継続性向上
✅企業価値の向上
✅人材の確保
✅資金調達の円滑化
中小企業でもガバナンスを強化することによって、社内外からの信頼を得やすく不正行為やミスによる損失を未然に防ぐことが出来るため、顧客獲得や採用、資金調達の際にも企業を高く評価されるというメリットがあります。
ガバナンスが機能していないことで起こるデメリット
逆に、ガバナンスが機能していない場合は、以下のようなリスクが生じます。
✅不正の発生
✅経営判断のミス
✅コンプライアンス違反
✅事業の停滞
✅企業の信用失墜
社内規定やチェック体制が不十分な場合、横領や粉飾決算などの不正行為が起こりやすくなります。他にも、経営陣の独断専行や情報共有不足により、誤った経営判断を下すことに繋がる要因の一つにもなります。
コンプライアンス違反は企業の信用を損ない、顧客や取引先の離反を招き、事業の成長を阻害するデメリットなどが発生することもあります。
3.中小企業がコーポレートガバナンスを強化するためにできる7つのこと
中小企業がコーポレートガバナンスを強化するためには、具体的に以下のような取り組みを実践してみましょう。
①経営理念の明確化と共有
企業が目指す方向性を明確化し、従業員全員で共有することで、組織全体の意識統一を図ります。
企業の存在意義や目指すべき未来について議論を重ね、経営理念を策定し、従業員全員に理解してもらうための取り組みを行います。経営理念は、社会情勢や企業を取り巻く環境の変化に合わせて、定期的に見直すことも重要です。
②社内規程の整備
就業規則や経費精算ルールなど、社内規程を整備し、従業員に周知徹底します。
リスク管理に関するルールや手順を定めることで、企業が様々なリスクに適切に対応できるようになる他、従業員が守るべき行動規範や倫理観を明確に示すことで、不正行為やハラスメントを防止し、健全な職場環境を構築することができます。
③内部統制システムの構築
業務の効率化と不正防止のために、適切な内部統制システムを構築します例えば、現金の取り扱いに関するルールを厳格化したり、定期的な監査を実施したりすることで、不正行為の発生を抑えることができます。
企業が抱える様々なリスクを洗い出し、それぞれの重要度や発生可能性を評価し、評価の結果に基づき、各リスクに対応するための統制活動を設計し、内部統制システムを構築します。
④情報共有の促進
経営陣と従業員間の情報共有を密にすることで、 意思決定の質や従業員のエンゲージメント、業務効率の向上などの効果があります。
社内ポータルサイトの設置やコミュニケーションツールの導入、情報共有の奨励や評価体制の整備によって従業員からの情報発信をしやすくすることが成功のポイントです。
⑤教育・研修の実施
ガバナンスに関する研修を実施し、従業員の意識向上を図ります。
教育・研修の実施は、中小企業にとって従業員の成長、組織の活性化、そして企業の成長に不可欠な投資です。
⑥外部専門家の活用
中小企業では、経営資源が限られているため、全ての分野において十分な専門知識やスキルを持つ人材を確保することが難しい場合があります。必要に応じて、弁護士や会計士などの外部専門家の意見を聞き、客観的な視点からガバナンス体制を見直します。
外部専門家は、それぞれの専門分野において深い知識を持つため、経営戦略、財務、法務、人事など、様々な分野において専門的なアドバイスを提供することができます。
⑦経営状況の可視化
ガバナンス経営において、経営状況の可視化は、企業の健全な成長と発展に不可欠な要素です。
売上、利益、キャッシュフロー、顧客情報、従業員情報など、様々なデータを一目で確認できるようになり現状把握の正確性向上・意思決定の迅速化と高度化・経営改善の促進などの効果があります。
4.ガバナンス強化に使えるDXツール
近年、企業のガバナンス強化を支援するDXツールが数多く登場しています。これらのツールを活用することで、業務効率化や情報共有の促進、リスク管理の強化などが期待できます。
✅業務管理ツール: 業務の進捗状況や担当者を一元管理することで、業務効率化やコスト削減を図ります。
✅コミュニケーションツール: 社内コミュニケーションを活性化することで、情報共有を促進し、迅速な意思決定を支援します。
✅ファイル共有ツール: 重要な資料やデータを安全に共有・管理することで、情報漏洩リスクを抑制します。
✅セキュリティ対策ソフト: サイバー攻撃や情報漏洩から企業を守るために、適切なセキュリティ対策ソフトを導入します。
✅電子契約システム: 契約業務を電子化することで、業務効率化とペーパーレス化を推進します。
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5.まとめ
この記事では、中小企業におけるガバナンスの重要性と、ガバナンス強化のためにできることを解説しました。ガバナンス強化は、一朝一夕にできるものではありません。しかし、企業の持続的な成長と発展のためには、ガバナンス体制の整備が不可欠です。
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