TOP お知らせ

中小企業のSDGs事例9選!メリットや補助金情報まとめ

中小企業のSDGs事例9選!メリットや補助金情報まとめ

更新日 2025.03.21

この記事でわかる事

  • SDGs(持続可能な開発目標)とは何か?
  • 中小企業が取り組むSDGsの成功事例
  • 食品廃棄物削減、エコ製品開発、リサイクル、地域貢献など、具体的な事例
  • 中小企業のSDGs活動を支援する補助金・助成金制度
  • 中小企業がSDGsに取り組むメリット

本記事は、中小企業の経営者や従業員の皆様に向けて、SDGsの取り組み方や成功事例、活用できる補助金・助成金情報などをわかりやすくお届けします。

▽基礎から応用まで幅広いスキルを実践的に習得できるおすすめのオンライン研修

 

1. SDGs(持続可能な開発目標)とは

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標です。

17のゴールと169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。

17のゴール

SDGsは、貧困や飢餓、教育、ジェンダー平等、気候変動、環境問題など、私たち人類が直面する様々な課題を包括的に解決することを目指しています。17のゴールは以下の通りです。

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.すべての人に健康と福祉を

4.質の高い教育をみんなに

5.ジェンダー平等を実現しよう

6.安全な水とトイレを世界中に

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

10.人や国の不平等をなくそう

11.住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任 つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

16.平和と公正をすべての人に

17.パートナーシップで目標を達成しよう

2. 中小企業のSDGs成功事例9選

SDGsは、大企業だけでなく中小企業にとっても重要な取り組みです。企業規模や業種に関わらず、それぞれの特性に合わせたSDGs活動を実践することで、持続可能な社会の実現に貢献することができます。

ここでは、独立行政法人中小企業基盤整備機構の運営サイト「J-Net21」にて紹介された事例の中から、中小企業のSDGs成功事例を4つのカテゴリーに分けてご紹介します。

 

食品廃棄物削減の事例

【事例①】「株式会社富田屋」

株式会社富田屋は、1928年創業、1966年設立の和菓子メーカーであり、わらび餅や柏餅などを製造販売しています。和菓子製造過程で発生する食品廃棄物の問題を課題として捉え、専門家のアドバイスを受けながら、食品廃棄物の排出量削減に取り組みました。

グラフ化によって食品廃棄物の排出量を「見える化」し、日々の排出状況を把握し、原因を解析。現場の5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)活動を徹底することで、食品廃棄物の排出量削減に成功しました。

その他、余った和菓子を地域住民や社員に安価で販売するなどの廃棄ロスへの取り組みや生産ラインにおける新しい設備導入や工場設備のレイアウト変更、人員配置の見直しを行い、効率的な作業体制などにも取り組んでいます。出典

【事例②】「株式会社うずしお食品」

株式会社うずしお食品は、徳島県鳴門市に拠点を置く、鳴門海峡で育った「鳴門わかめ」の加工販売会社です。わかめを商品化する際に廃棄されてしまうわかめの根っこの部分をパウダー状に加工することで、環境にも健康にもやさしい新商品「鳴門わかめのからだにやさしい塩」を開発しました。

畜産や農業、林業、漁業が一体となった取り組みを構想し、「陸から海へ、海から陸へ」の循環を構築することを目指し、徳島県内の養豚場の協力のもと、廃棄されてしまうわかめを家畜の飼料として活用するプロジェクトを開始。生わかめの端材を粉砕機で粉々にしたものを配合して作った「特別な飼料」を家畜に与えることで、従来与えていた飼料より効果があるなどの検証を進めています。出典

 

エコ製品開発の事例

【事例③雪ヶ谷化学工業株式会社】

雪ヶ谷化学工業株式会社は1952年設立の石油化学メーカーで、スポンジ・各種発泡体製造、化粧用スポンジを主力としています。特に化粧用スポンジは、原料を天然ゴムから石油由来の合成ゴムに切り替えたことで、耐久性とアレルギーの問題を解決し、業界で大変革を起こしましたが、近年のSDGsの潮流を受け、脱石油へと方向転換しています。

石油化学メーカーでありながら、化粧用スポンジの原料に課題の多い天然ゴムを使用するという決断で、合成ゴムに天然ゴムを10~90%ブレンドした「ユキロンRP」を開発しました。天然ゴム農園の労働者の人権に配慮した「天然ゴムのフェアトレード」を証明するマークを作成し、他社にも公開することで、業界全体の取り組みに広げることを目指しています。

その他にも「すぐにできることからがんばってする→SDGs」をモットーに、コピー用紙にリサイクル紙を使用したり、名刺の字体をユニバーサルデザインのフォントに変更したり、SDGs勉強会を毎月開催するなど、社内全体でSDGsを身近に感じ、自分ごととして考える組織体制を構築しています。出典

【事例④株式会社TBM】

株式会社TBMは2011年創業のベンチャー企業で、紙やプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」の開発で注目を集めています。主原料に石灰石を使用し、紙やプラスチックの代替となる素材を開発しています。紙の製造に比べ、水の使用量を大幅に削減でき、プラスチックごみの削減に貢献するほか、製造プロセスがシンプルで、紙やプラスチックに比べCO2の排出量を削減できます。

そのほか、自治体や企業と協業し使用済みのLIMEX製品を回収して、より価値の高いものに再生するアップサイクルの実施や、経済産業省の補助金の採択を受け、東日本大震災後の地域雇用に貢献できるよう宮城県に工場を建設するなどし、国内外での需要が高まっています。出典

【事例⑤株式会社SAMURAI TRADING】

株式会社SAMURAI TRADING(サムライトレーディング)は、埼玉県桶川市に拠点を置く企業で、産業廃棄物として処理されていた卵の殻を活用し、環境にやさしい素材を開発しています。

デザート製造の際に大量に出る卵の殻を原料とする「プラシェル」は、クリアファイルなど多くの商品に使用されています。卵の殻を10~50%程度配合した紙製品で、プラスチックから紙への置き換えによる環境保護に加え、森林伐採の削減にも貢献する「Shellmine(シェルミン)」は食器製造・販売のアヅミ産業がシェルミンを使った商品を製造・販売しており、大手外食チェーンや大手ホテルチェーンでの採用が決定しています。

これらの商品は、SDGsへの関心が高まるにつれて、同社の素材を使用した商品が注目を浴び、大手企業にも採用され始めています。出典

 

リサイクルの事例

【事例⑥会宝産業】

会宝産業株式会社は、自動車リサイクル事業を通じて、国内外で資源の再利用・再資源化を促進し、循環型社会の構築に向けた活動を進めている企業です。

不要になった自動車を解体し、部品を再生・販売する事業を1969年に開始し、高品質な中古車部品は海外で人気が高く、約90カ国への輸出実績があります。使用済み自動車が放置され、土壌汚染や不法投棄が問題となっているアジアやアフリカなどの途上国に対し、環境に配慮した自動車リサイクルの海外展開に着手国際協力機構(JICA)の委託を受け、2007年に本社工場隣に国際リサイクル教育センターを開設し、国内外の研修生に技術・知識を教えています

社内活動「会宝2030プロジェクト」や、ビジネス行動要請(BCtA)への加盟、収益性分析システムの開発と提供などの取り組みが評価され、2018年12月の第2回ジャパンSDGsアワードでSDGs副本部長(外務大臣)賞を受賞しました。出典

 

【事例⑦株式会社ツチヨシ アクティ】

株式会社ツチヨシ アクティは、香川県東かがわ市に本社を置く、鋳造用原料・副資材の製造販売、鋳造用・建設用機材販売を行っている会社です。鋳造業界では、金属スクラップやダライ粉などを材料として利用するリサイクルが以前から行われており、同社も積極的に取り組んでいます。

鋳型に使用した砂の99%がリサイクルされ、近隣の浄水場に水質改善用のろ過砂を供給しており、使用済みの砂を再度ろ過砂に加工したり、園芸用、テニスコート、サッカーグラウンド、野球場の乾燥砂などにリサイクルしています。

その他、社用車を燃費効率の良いHV(ハイブリッド)車に変更したり、BCP(事業継続計画)を盛り込んだ拠点づくりや、ユニバーサルデザインを取り入れた多様性を受け入れる働きやすい職場づくりを目指したり、従業員向けに鋳造カレッジやSIY(Search Inside Yourself)をはじめとする各種教育の提供や資格取得支援を積極的に行うなどの取り組みを実施しています。出典

 

地域貢献の事例

【事例⑧株式会社山岸製作所】

株式会社山岸製作所は、群馬県高崎市に本社を置く精密機械部品メーカーです。同社は、高い技術力を持ち、自動車部品や半導体製造装置部品を製造しており、量産だけでなく多品種少量生産にも対応しています。

経営理念で「ものづくりと人づくりにこだわり、社会に貢献する」ことを掲げ、人材育成に力を入れ、研修制度を設け、新入社員を対象に毎週金曜日に丸一日、半年間の研修を実施しています。リーマンショック時には、雇用調整助成金を活用し、業務量減少で空いた時間を研修に費やし、従業員の多能工化を進めました。

地域貢献の取り組みとして、群馬県の職業訓練校に認定されており、他企業からの受講生の受け入れを進めたり地元企業を対象に、若手経営者や次世代経営陣に対し、経営に必要な知識やマネジメントなどを山岸製作所の経営陣が講義しています。出典

【事例⑨株式会社マルワ】

株式会社マルワは、愛知県名古屋市に本社を置く印刷会社で、20年ほど前から環境負荷低減の取り組みを続けています。

ISO14001(環境マネジメントシステム)認証を取得し、環境配慮への取り組みを強化しているほか、環境に配慮した印刷物であることを示すGPマークを取得しています。

印刷資材には森林認証制度(FSC)の認証紙や植物由来インキなど環境に配慮した資材を採用、環境省が進める中小企業版SBT・再エネ100%に参加し、2021年8月より調達電力を再生可能エネルギーにし、「ノーカーボンプリント」を実現。ザンビア産のバナナの茎を材料にした「バナナペーパー」の活用を推進しています。

地域の中高生・大学生の職場体験やインターンシップを実施したり、企業、行政機関、学校などからの会社見学を積極的に受け入れ、地域との連携を大切にしています。出典

 

3. 中小企業のSDGs活動に使える補助金・助成金は?

中小企業がSDGs活動を推進するにあたって、活用できる補助金や助成金制度は、資金面でのサポートだけでなく、専門家によるアドバイスやマッチング支援など、多岐にわたります。ここでは、代表的な制度とその活用例をより詳しく解説します。

中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)

JICA(国際協力機構)が提供するこの制度は、開発途上国の課題解決に貢献するビジネス(SDGsビジネス)を展開する中小企業を支援します。具体的には、以下のような支援を受けることができます。

  • 専門家派遣: SDGsビジネスの計画策定や現地での事業展開に関する専門家のアドバイスを受けることができます。
  • 現地調査: 現地市場の調査やパートナー企業とのマッチングなど、海外展開に必要な情報収集を支援します。
  • 事業資金の融資: SDGsビジネスに必要な資金を低利で借り入れることができます。

活用例:

  • 食品加工会社が、開発途上国で未利用資源を活用した新商品を開発し、貧困問題の解決に貢献する事業を行う。
  • IT企業が、開発途上国で教育・医療分野における課題解決に貢献するアプリを開発し、事業を展開する。

中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)

 省エネ補助金

環境省が提供するこの制度は、中小企業が省エネルギー設備を導入する際に、費用の一部を補助するものです。SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献する取り組みを支援します。

活用例:

  • 製造業者が、工場内の照明をLED照明に交換し、消費電力を削減する。
  • 商業施設が、高効率な空調設備を導入し、エネルギーコストを削減する。

省エネ補助金

その他

上記以外にも、地方自治体や各省庁が、SDGsに関連する様々な補助金・助成金制度を提供しています。

  • 地方創生交付金: 地方自治体が、地域活性化のために行うSDGs関連事業を支援する。
  • 環境ビジネス支援補助金: 環境技術を活用したビジネスを行う中小企業を支援する。

 

4. 中小企業がSDGsに取り組むメリット

中小企業がSDGsに取り組むことは、企業の持続的な成長だけでなく、様々なメリットをもたらします。

  • 企業イメージの向上: SDGsへの取り組みは、企業の社会的な責任を果たしているという姿勢を示すことができ、企業イメージの向上に繋がる
  • 顧客の獲得: 環境問題や社会問題に関心の高い消費者は、SDGsに取り組む企業の商品やサービスを選ぶ傾向
  • 従業員のモチベーション向上: SDGsへの貢献は、従業員の働きがいを高め、モチベーションが向上する
  • 新規ビジネスの創出: SDGsの目標達成に向けた新たな技術やサービスの開発は、新規ビジネスの創出に繋がる
  • 投資家からの評価向上: SDGsへの取り組みは、投資家からの評価向上に繋がり、資金調達を有利に進めることができる

 

5. まとめ

SDGsは、大企業だけでなく中小企業にとっても重要な取り組みです。企業規模や業種に関わらず、それぞれの特性に合わせたSDGs活動を実践することで、持続可能な社会の実現に貢献することができます。

本記事で紹介した事例や補助金・助成金制度は募集期間が定められています。常に最新情報を収集し、申請期間を逃さないようにしましょう。

各制度には申請要件が定められており必要書類も様々ですので、各種制度を活用したSDGsの取り組みを検討されている方は、全国一万社以上の申請サポート実績を誇るJコンサルの無料相談をご利用ください!



#おすすめ研修
株式会社TSUNAGUによる、AI人材研修サービス

一覧に戻る