中小企業の女性活躍推進の課題と取り組み&補助金相談窓口

令和4年から中小企業でも義務化となった「女性活躍推進法」は、女性の活躍を推進するための行動計画の策定などを義務付ける法律です。
本記事は、中小企業の経営者や従業員に向けて、女性活躍推進に関する課題や取り組み、役立つ情報をお届けします。
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ー目次ー
1. 令和4年から中小企業でも義務化がスタートした「女性活躍推進法」とは
2015年に成立した「女性活躍推進法」は、正式名称を「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といい企業に対し、女性の活躍を推進するための行動計画の策定などを義務付ける法律です。当初は大企業のみが対象でしたが、2022年4月からは中小企業にも義務化が拡大されました。
具体的には、以下のような取り組みが求められます。
✅行動計画の策定・届出・情報公開
女性の活躍に関する状況把握、課題分析、数値目標の設定などを含む行動計画を策定し、都道府県労働局に届け出る必要があります。
従業員101人以上の企業は、行動計画の内容や取り組み状況を公表することが義務付けられています。行動計画に盛り込むべき項目は以下の通りです。
- 自社の女性活躍の状況把握・課題分析
- 数値目標を定めた行動計画の策定、社内通知、公表 (定められた2つの区分の項目のどちらかから1つ以上選択)
- 都道府県労働局への届出
- 女性の活躍に関する情報公表 (101人以上の企業で1項目以上・301人以上の企業で2項目以上)
女性活躍推進法は、女性が能力を発揮し、活躍できる環境を整備することで、企業の生産性向上や人材確保、ひいては日本経済の活性化に繋がることを目的としています。
2. 中小企業の女性活躍の現状
女性の就業率は著しく上昇しており、生産年齢人口(15~64歳)の女性の就業率は、1986年には53.1%でしたが、2016年には66.0%と、約30年間で約13%ポイント上昇しました。しかし、都道府県別の女性の就業率には依然としてばらつきがあり、最も高い福井県と最も低い奈良県との差は16.3%ポイントあります。
また、就業者に占める女性の割合は欧米諸国とほぼ同水準であるものの、管理的職業従事者に占める女性の割合は13.0%(2016年)と低い水準にとどまっています。
産業別に見ると、医療・福祉は就業者に占める女性の割合が最も高いですが、管理的職業従事者に占める女性の割合は28.6%と、その差が大きく、地域別に見ると、管理的職業従事者に占める女性の割合が10%未満の県も存在します。
出典|男女共同参画局
3. 中小企業の女性活躍推進の課題
日本の人口減少による人手不足が加速する中、女性も社会での活躍を期待される一方で、管理職に就く女性が少ない問題はなぜ起こるのでしょうか。
多様な働き方に対応できていない
男女共同参画局の調べによると、「家事・育児・介護」に多くの時間を割いているのは女性という現状があります。
その結果多くの女性が、柔軟な働き方を求めて非正規雇用を選択し、不本意ながら非正規雇用形態で働く女性は149万人いると言われています。その多くは30~50代の、子育てや介護を担う世代の女性です。
中小企業でも、このような女性が働き続けられるよう以下のような制度や環境の整備を検討しましょう。
✅柔軟な勤務体系の導入:テレワークやリモートワーク、フレックスタイム制の導入など
✅休暇制度の充実:育児休業や介護休業の取得促進、子の看護休暇や介護休暇の取得促進
✅職場復帰支援:育児休業からのスムーズな復帰を支援するプログラムの導入
意識改革が出来ていない
家庭内で「家事・育児・介護」に多くの時間を割いているのは男性より女性が多いという現状があるように、職場にも性別役割分担意識が根強く残ってしまっているケースがあります。
古い固定概念は、女性の能力や意欲を正当に評価せず昇進や重要な仕事から遠ざける、といった状況につながることがあります。長時間労働を良しとする風潮、男性中心の社内文化がある場合は、企業が主導的に排除するための以下のような取り組みを取り入れましょう。
✅研修・セミナーの実施:アンコンシャス・バイアス、ダイバーシティ、ワークライフバランスに関する学びを促進
✅ロールモデルの紹介:管理職の女性を増やし、リーダーとして活躍する姿を見せることで、他の女性従業員の意識改革を促す
✅社内コミュニケーションの活性化:従業員同士が自由に意見交換できる場を設け、風通しの良い職場環境を作る
4. 女性従業員の活躍を推進する中小企業の特徴
女性従業員の就業ニーズを把握し必要な制度を整備することで、労働力を確保し、競争力を強化している中小企業の特徴を見てみましょう。
男女平等の人的資源管理
- 採用、配置、研修、管理職への登用において、性別に関係なく行っている
- 男女の能力に差はないという認識を持ち、職務遂行能力によって評価するという意識を高めている
- 女性の感性や経験を活かし、事業を活性化しようとしている
経営戦略としての位置づけ
- 企業の競争力強化と成長のために「女性従業員の活躍」を重要な経営目標として位置づけており、企業トップが「企業戦略上必須である」と宣言している
- 仕事と家庭の両立支援の実施により仕事の進め方について職場内で見直すきっかけとなり、無駄を排除してコスト削減につながっている
- 従業員が働きやすい環境を整備することによって、会社や職場に対する愛着や信頼が深まっている
段階的な推進
- 女性の採用拡大、女性の職域拡大、女性管理職の登用という段階を経て、着実に推進している
- 設備投資などコストがかかる取り組みも段階的に推進している(仕事の機械化による作業負担の軽減・事業所内託児所の設置・職掌・多能工化による代替要員の確保など)
能力を発揮できる仕組みづくり
- 人事評価基準を明確化し、男女の区分なく評価される仕組みづくりをしている
- 本人の希望を踏まえながら適材適所の配置を行う
- 生産設備や生産工程の工夫、仕事のやり方そのものの変更により、男性に限られていた仕事を男女の区別なく作業可能としている
これらの取り組みを行う企業では、人材育成を経営戦略に組み入れ、女性従業員の活躍を推進する上での阻害要因に対して克服策をとることで、効果を得ています。
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