【16次公募】事業承継・M&A補助金とは?対象経費・4つの申請枠・申請の流れを解説
「後継者に事業を引き継ぎたい」「M&Aで会社や事業を譲り受けたい」「M&Aにかかる専門家費用を少しでも抑えたい」――このようなお悩みをお持ちの中小企業さまは少なくありません。
また、事業承継やM&Aをきっかけに、新しい設備を導入したい、M&A後の統合を進めたい、一部事業の廃業や再チャレンジを検討したいというケースもあります。
こうした場面で活用を検討したい制度が、「事業承継・M&A補助金」です。
この記事では、事業承継・M&A補助金の概要や対象経費、4つの申請枠、申請から受給までの流れを、初めての方にもわかりやすく解説します。
目次
事業承継・M&A補助金とは?
事業承継・M&A補助金とは、事業承継やM&Aをきっかけに、経営資源の引継ぎや新たな取り組みを行う中小企業等を支援する補助金です。
対象になり得る費用は、たとえば次のようなものです。

つまり、単に「会社を引き継ぐため」の補助金ではありません。
承継後の成長、M&A後の統合、次の事業への再チャレンジまでを後押しする制度と考えるとわかりやすいでしょう。
16次公募スケジュール
| 公募申請受付期間 |
2026年10月2日(金)~2026年11月6日(金) 17:00まで
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| 申請サポート受付締め切り日 |
2026年9月29日(火)12:00 |
| 採択日 | 2026年12月下旬以降 順次(予定) |
| 交付申請受付期間 | 2027年1月上旬~2027年11月中旬(予定) |
| 交付決定日 | 2027年1月下旬以降 順次(予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定日~2028年3月中旬 |
| 実績報告期間 | 2027年6月上旬~2028年3月下旬(予定) |
| 補助金交付手続き | 2027年10月上旬以降 順次(予定) |
どんな人・会社が対象になる?
事業承継・M&A補助金の主な対象は、中小企業者や小規模事業者等です。
具体的には、次のような事業者が対象になり得ます。

ただし、実際に対象となるかどうかは、申請する枠や事業内容、公募要領に定められた要件によって異なります。
「事業承継に関係しているから必ず使える」というものではないため、自社の状況がどの枠に当てはまるのか、早めに確認しておくことが大切です。
事業承継・M&A補助金の4つの枠
事業承継・M&A補助金には、大きく分けて4つの申請枠があります。
それぞれ支援する内容が異なるため、自社の目的に合った枠を選ぶことが重要です。
1.事業承継促進枠
事業承継促進枠は、親族内承継や従業員承継などを予定している事業者向けの枠です。
事業を引き継ぐだけでなく、承継後に新たな取り組みを行うための設備投資等を支援することを目的としています。
たとえば、次のような費用が対象になり得ます。

「後継者に引き継いだあと、事業をさらに伸ばしていきたい」という場合に検討しやすい枠です。
2.専門家活用枠
専門家活用枠は、M&Aを進める際に必要となる専門家費用を支援する枠です。
M&Aでは、仲介会社やFA、弁護士、公認会計士、税理士など、専門家のサポートが必要になる場面があります。その分、費用負担も大きくなりやすいため、補助金の活用を検討する価値があります。
対象になり得る費用の例は、次のとおりです。

専門家活用枠には、買い手支援・売り手支援などの類型があり、それぞれ要件が異なります。また、専門家に支払う費用であれば、すべて補助対象になるわけではありません。
FAやM&A仲介業者に支払う相談料、着手金、中間報酬、成功報酬などは、原則として「M&A支援機関登録制度」に登録されたFA・仲介業者による支援に限り、補助対象となります。
弁護士、公認会計士、税理士などへの費用についても、M&Aに直接必要な業務として認められることや、契約内容・金額・業務範囲を確認できる書類を用意することなどが必要です。
対象経費によっては相見積の取得も必要です。依頼先や契約時期、契約内容によって補助対象外になる場合があるため、専門家との契約前に公募要領を確認しましょう。
3.PMI推進枠
PMI推進枠は、M&A後の経営統合に取り組む事業者向けの枠です。
PMIとは「Post Merger Integration」の略で、M&A後に組織・業務・会計・人事・システムなどを統合していく取り組みを指します。
M&Aは、成立して終わりではありません。買収後にスムーズに事業を統合し、期待した効果を出していくことがとても重要です。
PMI推進枠では、たとえば次のような費用が対象になり得ます。

M&A後の成長や統合をしっかり進めたい場合に、検討しやすい枠です。
4.廃業・再チャレンジ枠
廃業・再チャレンジ枠は、事業承継やM&Aに伴う廃業、またはM&Aによる事業譲渡を試みたものの譲渡できなかった中小企業者等が、既存事業を廃業して新たな取り組みにチャレンジする場合の費用を支援する枠です。
単独で再チャレンジ申請を行う場合と、事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠と併用する場合があり、それぞれ対象となる事業者や廃業の要件が異なります。
たとえば、次のような費用が対象になり得ます。

事業承継やM&Aでは、すべての事業をそのまま残すとは限りません。一部事業を整理し、新しい形で再スタートすることもあります。
この枠は、他の枠と併用できる場合もあるため、廃業費用が発生しそうな場合は、組み合わせて申請できるかを確認しておきましょう。
どの枠を選べばよい?
どの申請枠を選ぶべきかは、自社が何をしたいのかによって変わります。目安としては、次のように考えると整理しやすくなります。

ただし、実際には複数の要素が重なるケースもあります。たとえば、M&Aの専門家費用と廃業費用が同時に発生する場合などです。
状況によっては併用できる可能性もあるため、早めに公募要領を確認し、必要に応じて専門家や支援機関に相談することをおすすめします。
補助率・補助上限額の考え方
補助率や補助上限額は、申請枠によって異なります。
16次公募では、事業承継促進枠の補助率は2分の1または3分の2以内で、補助上限額は原則800万円です。所定の賃上げ要件を満たす場合は、補助上限額が1,000万円に引き上げられます。
専門家活用枠の基本となる補助上限額は600万円です。一定のデュー・ディリジェンス費用や廃業費について、補助上限額を上乗せできる場合があります。補助率は、申請類型や事業者の要件によって異なります。
PMI専門家活用類型の補助率は2分の1以内、補助上限額は150万円です。廃業・再チャレンジ枠を単独で申請する場合の補助率は3分の2以内、補助上限額は300万円です。他の枠と併用する場合は、併用する事業枠の補助率が適用されます。
また、各枠には補助下限額が設定されているほか、補助上限額の引き上げや上乗せを受けるための個別要件があります。実際に申請する際は、必ず16次公募の各公募要領をご確認ください。
申請から補助金受給までの流れ
事業承継・M&A補助金は、申請してすぐに補助金が受け取れる制度ではありません。一般的な流れは、次のようになります。

特に注意したいのは、採択後に「交付申請」や「交付決定」の手続きがある点です。
採択されたからといって、すぐに発注・契約・支払いを進めてよいとは限りません。交付決定前に支出した費用は、補助対象外になる可能性があります。
申請前に確認しておきたいポイント
申請前には、次の点を確認しておきましょう。

補助金は、対象経費を支払えば自動的に受け取れるものではありません。原則として、交付決定後の補助事業期間内に契約・発注・支払いを行い、事業完了後に実績報告を提出します。その後、事務局の確定検査を経て、補助対象として認められた金額が後払いで交付されます。
そのため、補助金が交付されるまでは、原則として事業者が費用を立て替える必要があります。申請前に、補助金の入金までを見込んだ資金計画を立てておくことが重要です。
また、交付決定を受けていても、契約内容の不備、相見積の未取得、不適切な支払方法、証拠書類の不足などがある場合は、補助金が減額されたり、対象外になったりする可能性があります。
注意点:採択されてもすぐに使えるわけではない
事業承継・M&A補助金で特に注意したいのは、「採択=補助金が確定した状態」ではないという点です。
採択後には交付申請を行い、事務局による確認を経て、交付決定を受ける必要があります。補助対象経費や補助金額が正式に決まるのは、この交付決定を経た後です。
また、交付決定前に発注・契約・支払いをしてしまうと、補助対象外になる可能性があります。「急いでいるから先に契約しておこう」と進めてしまうと、せっかく採択されても補助対象として認められないことがあるため注意が必要です。
さらに、公募回によって要件や対象経費、必要書類が変わることもあります。過去の情報だけで判断せず、必ず最新の公募要領を確認しましょう。
まとめ:事業承継・M&Aを進める前に早めの確認を
事業承継・M&A補助金は、事業承継やM&Aに関する費用を幅広く支援する制度です。後継者への承継に伴う設備投資、M&Aの専門家費用、M&A後のPMI、廃業・再チャレンジにかかる費用など、さまざまな場面で活用できる可能性があります。
一方で、申請枠ごとに対象者や対象経費、補助率、補助上限額、必要書類が異なるため、自社の状況に合った枠を選ぶことが重要です。
また、補助金は後払いであり、採択後にも交付申請や実績報告などの手続きがあります。交付決定前の発注・契約・支払いには十分注意しましょう。
事業承継やM&Aを検討している場合は、早めに制度内容を確認し、専門家や支援機関に相談しながら準備を進めることが大切です。
自社が事業承継・M&A補助金を活用できるのか、他に自社に合った補助金があるのかを知りたい方は、まずは簡単な診断フォームで、自社がどの補助金を活用できる可能性があるか確認してみましょう。
