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教育訓練休暇等付与コースとは?助成額・対象者・申請方法をわかりやすく解説

教育訓練休暇等付与コースとは?助成額・対象者・申請方法をわかりやすく解説

更新日 2026.10.15

従業員のスキルアップや学び直しを進めたいものの、「研修を受ける時間をどう確保するか」「会社の負担をどう抑えるか」と悩んでいませんか。

そんなときに活用を検討したいのが、人材開発支援助成金の教育訓練休暇等付与コースです。

この制度は、従業員が仕事を離れて教育訓練を受けられるよう、企業が教育訓練休暇制度を導入・適用した場合に助成するものです。

この記事では、教育訓練休暇等付与コースの概要から、助成額、対象となる制度、申請の流れ、注意点までをわかりやすく解説します。

 

教育訓練休暇等付与コースとは? 

教育訓練休暇等付与コースは、従業員が教育訓練を受けるための休暇制度を導入し、実際に利用した企業を支援する助成制度です。

人材開発支援助成金には、研修費用や訓練中の賃金などを助成するコースがあります。
そのなかで、教育訓練休暇等付与コースは、「学ぶための時間を確保する仕組みづくり」に重点を置いています。

たとえば、従業員が資格取得のために講座へ通う場合や、業務に関連する専門知識を学ぶ場合などが考えられます。

ただし、単に休暇制度を作るだけでは足りません。
制度を導入したうえで、対象となる労働者が実際に休暇を取得し、教育訓練を受けることが必要です。

 

教育訓練休暇等付与コースの助成額 

教育訓練休暇制度を導入し、所定の要件を満たした場合の制度導入・実施助成は30万円です。
さらに、対象労働者の賃金を5%以上増加させるなどの賃金要件、または資格等手当の支給によって賃金を3%以上増加させる資格等手当要件を満たし、別途申請した場合は6万円が加算され、合計36万円となります。

なお、助成金は審査のうえ支給されるため、制度を導入しただけで必ず支給されるものではありません。

2026年度の主な助成内容は、次のとおりです。

 制度  主な助成内容
 教育訓練休暇制度  制度導入・実施助成として30万円
 賃金要件または資格等手当要件を満たし、
 別途申請した場合
 6万円を加算し、合計36万円

教育訓練休暇制度については、1事業主に対して1度限りの助成です。

なお、長期教育訓練休暇制度や教育訓練短時間勤務制度は、主に「人への投資促進コース」で扱われます。
教育訓練休暇等付与コースと名前が似ていますが、制度や助成内容が異なるため、申請前に確認しましょう。

 

対象となる企業・労働者

教育訓練休暇等付与コースを利用するためには、原則として、申請する事業主が雇用保険適用事業所の事業主であり、休暇を取得する労働者が雇用保険被保険者である必要があります。
また、計画届を提出する日までに、職業能力開発推進者を選任するとともに、事業内職業能力開発計画を策定し、労働者へ周知しておく必要があります。

利用を検討する際は、主に次の点を確認しましょう。

・雇用保険適用事業所の事業主であるか
・対象となる労働者が雇用保険被保険者であるか
・職業能力開発推進者を選任しているか
・事業内職業能力開発計画を策定し、労働者へ周知しているか
・対象となる教育訓練休暇制度を新たに導入できるか
・対象労働者が自発的に教育訓練等を受ける予定があるか
・休暇取得や教育訓練等の実施状況を記録・証明できるか

なお、教育訓練休暇制度は、原則として計画届の提出後に導入する必要があります。
計画届を提出する前に制度を導入している場合は、助成対象外となる可能性があるため注意が必要です。

 

教育訓練休暇制度とは?

教育訓練休暇制度とは、従業員が仕事を離れて教育訓練を受けるために利用できる休暇制度です。
2026年度の案内では、3年間に5日以上取得できる有給の教育訓練休暇制度を就業規則または労働協約に定め、対象となる労働者が実際に休暇を取得して教育訓練等を受けることが要件とされています。
さらに、企業全体の雇用保険被保険者数が100人未満の場合は1人以上、100人以上の場合は5人以上の被保険者が、それぞれ合計5日以上の教育訓練休暇を取得する必要があります。

ここでいう教育訓練休暇は、労働基準法上の年次有給休暇とは別の制度です。
そのため、制度の施行日、対象者、取得可能日数、取得方法などを就業規則または労働協約に明記する必要があります。
就業規則については、原則として制度施行日までに管轄の労働基準監督署へ届け出るとともに、制度の内容を労働者へ周知する必要があります。

 

どのような教育訓練が考えられる?

対象となる教育訓練は、制度の要件を満たす必要があります。
対象となるのは、原則として、労働者が業務命令ではなく自発的に受講し、事業主以外の者が実施する教育訓練等です。
活用例としては、次のようなものが考えられます。

・業務に関連する資格取得のために、労働者が自発的に受講する外部講座
・専門知識や職務に必要な技能を習得するための外部研修
・職業能力の向上につながる各種検定
・国家資格を持つキャリアコンサルタントが実施するキャリアコンサルティング 

ただし、業務に関連する内容であっても、会社の業務命令で受講させるものや、会社自身が実施する研修は、この制度の対象にならない可能性があります。
また、通常の業務説明、社内制度の説明、見学会、ビジネス交流会、オンラインサロン、職業能力開発に直接関係しない講習なども対象外となる場合があります。

具体的な教育訓練等が対象となるかは、最新の支給要領やパンフレットをご確認ください。

 

教育訓練休暇等付与コースと他の制度の違い

教育訓練休暇等付与コースに関連する制度には、長期教育訓練休暇制度や教育訓練短時間勤務制度があります。
それぞれの違いを簡単に整理すると、次のとおりです。

 制度  特徴
 教育訓練休暇制度  教育訓練のために有給休暇を取得できる制度
 長期教育訓練休暇制度  比較的長い期間、教育訓練のための休暇を
 取得できる制度
 教育訓練短時間勤務制度  教育訓練のために所定労働時間を短縮する制度

長期間の大学・専門学校への通学を想定しているのか、数日間の研修や資格講座を想定しているのかによって、検討する制度は変わります。
まずは、従業員にどのような学びの機会を提供したいのかを整理しましょう。

 

申請方法と手続きの流れ

教育訓練休暇等付与コースでは、制度を導入する前に、制度導入・適用計画届などを提出する必要があります。
計画届の提出期間は、原則として、就業規則または労働協約に定める制度施行日の6か月前から1か月前までです。
計画届の提出前に制度を導入した場合や、期限までに計画届を提出しなかった場合は、助成対象外となる可能性があります。

一般的な流れは、次のとおりです。

1. 制度の導入内容を検討する

まず、どのような教育訓練休暇制度を導入するのかを決めます。
確認したい項目は、次のようなものです。

・休暇の対象者     ・休暇を取得できる期間
・休暇の取得方法    ・教育訓練の対象範囲
・就業規則への記載内容 ・社内での申請・承認方法

2. 計画届・事前確認書を準備する

制度の内容と施行予定日を決めたら、制度導入・適用計画届および事前確認書などの必要書類を準備します。
計画届は、原則として制度施行日の6か月前から1か月前までに、主たる事業所を管轄する労働局へ提出します。
厚生労働省では、計画届、変更届、事前確認書などの様式を公開しています。

3. 制度を導入し、従業員に適用する

計画届の提出後、計画に沿って教育訓練休暇制度を就業規則または労働協約に定めます。
就業規則は、原則として制度施行日までに管轄の労働基準監督署へ届け出るとともに、制度の内容を労働者へ周知します。

その後、対象労働者が教育訓練休暇を取得し、自発的に教育訓練等を受けます。
支給申請に備えて、休暇の取得日、教育訓練等の内容、受講実績、出勤簿、休暇簿、賃金台帳などの記録を整理・保存しておきましょう。

4. 支給申請を行う

支給要件を満たしたら、必要書類をそろえて支給申請を行います。
申請時には、制度の導入状況だけでなく、休暇の取得や教育訓練の実施状況などが確認されます。

5. 助成金の支給を受ける

審査の結果、支給要件を満たしていると認められれば、助成金が支給されます。

なお、申請しただけで必ず支給されるわけではありません。 
制度の要件を満たしているか、申請書類に不備がないかを事前に確認することが重要です。

 

申請前に確認したい注意点

教育訓練休暇等付与コースを利用する際は、次の点に注意しましょう。

就業規則などの整備が必要

制度を導入する場合は、休暇の内容を就業規則などに適切に定める必要があります。
「教育訓練のために休める」とだけ決めるのではなく、対象者や取得方法などを明確にしておくと、社内運用もスムーズです。

計画届の提出時期を確認する

制度導入・適用計画届は、原則として、制度施行日の6か月前から1か月前までに提出する必要があります。
計画届を提出する前に制度を導入した場合や、提出期限までに計画届を提出しなかった場合は、助成対象外となる可能性があります。
制度の施行日を決める前に、最新の支給要領で提出期限を確認してください。

年次有給休暇との違いを理解する

教育訓練休暇制度は、通常の年次有給休暇とは別の制度です。
既存の有給休暇を利用するだけで、教育訓練休暇等付与コースの対象になるとは限りません。

記録をきちんと残す

休暇の取得日、教育訓練の内容、制度の適用状況などは、支給申請時の確認に関わります。
申請に必要な記録をあらかじめ整理しておくと、後から慌てずに済みます。

最新年度の資料を使う

助成金は、年度によって金額や要件、申請書類が変更されることがあります。
厚生労働省の資料には、過去年度のパンフレットも掲載されています。
古い年度の情報をそのまま使わず、計画届を提出する時点の資料を確認しましょう。

 

教育訓練休暇等付与コースを活用するポイント

この制度を活用するなら、助成金の金額だけでなく、自社の人材育成方針と合っているかを考えることが大切です。
たとえば、次のような順番で検討すると整理しやすくなります。

1. 今後、どのようなスキルを持つ人材が必要か考える 
2. 従業員に受けてほしい教育訓練を決める
3. 休暇を取得しやすい制度を検討する
4. 就業規則や社内運用を整える
5. 助成金の対象要件を確認する
6. 必要書類と申請スケジュールを整理する

「助成金があるから制度を作る」のではなく、人材育成の計画に合わせて制度を整えると、導入後も活用しやすくなります。

 

よくある質問

Q. 教育訓練休暇等付与コースはいくら助成されますか?

教育訓練休暇制度の制度導入・実施助成は30万円です。
さらに、所定の賃金要件または資格等手当要件を満たし、別途申請した場合は6万円が加算され、合計36万円となります。
なお、制度を導入しただけで支給されるものではなく、休暇の取得実績や人数要件など、すべての支給要件を満たす必要があります。

Q. 教育訓練休暇制度と年次有給休暇は同じですか?

同じではありません。
教育訓練休暇制度は、教育訓練のために利用できる別の休暇制度です。

Q. 会社が制度を作るだけで助成されますか?

制度を導入するだけでは助成されません。
企業全体の雇用保険被保険者数が100人未満の場合は1人以上、100人以上の場合は5人以上の被保険者が、それぞれ合計5日以上の教育訓練休暇を取得し、自発的に教育訓練等を受ける必要があります。
このほかにも、計画届の事前提出や就業規則の整備など、所定の支給要件を満たす必要があります。

Q. 長期の休暇を取りたい場合はどうすればよいですか?

長期間の教育訓練を想定している場合は、長期教育訓練休暇制度など、別の制度が適している可能性があります。
制度ごとに助成内容や要件が異なるため、最新資料を確認しましょう。

Q. 申請期限はいつですか?

計画届は、原則として制度施行日の6か月前から1か月前までに提出します。
支給申請は、原則として3年間の制度導入・適用計画期間が終了した日の翌日から2か月以内に行います。

ただし、計画期間中に支給要件を満たした場合は、制度導入日から6か月を経過した日の翌日以降に、計画期間の終了を待たずに申請できる場合があります。
適用される期限は個別の状況によって異なるため、必ず最新のパンフレット・支給要領をご確認ください。

 

まとめ

教育訓練休暇等付与コースは、従業員が学ぶための休暇制度を導入し、実際に適用した企業を支援する助成制度です。
2026年度の教育訓練休暇制度では、所定の支給要件を満たした場合、制度導入・実施助成として30万円が支給対象となります。
さらに、所定の賃金要件または資格等手当要件を満たし、別途申請した場合は6万円が加算され、合計36万円となります。

活用を検討する際は、次のポイントを押さえておきましょう。

・教育訓練休暇制度の導入が必要
・対象労働者が実際に休暇を取得する必要がある 
・計画届などの事前手続きがある
・就業規則や社内運用の整備が重要
・最新年度の支給要領で要件・期限を確認する

最新の支給要領や申請期限を確認しながら、自社に合った形で制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
補助金申請をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

 

※本記事は、厚生労働省が公表している令和8年度の資料に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、助成金の受給を保証するものではありません。
対象可否、申請期限および必要書類は、個別の雇用状況や制度内容等によって異なります。
実際に申請する際は、計画届を提出する時点の最新のパンフレット・支給要領をご確認のうえ、管轄の労働局または社会保険労務士等の専門家へご相談ください。

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